こんにちは、GMOペパボでCS部門のマネージャーをしているokuboと申します。担当領域はホスティング事業です。
「CS HACK Advent Calendar 2024」の20日目の記事として、今年起きた大きな出来事について書きました。

はじめに
2023年11月
2023年12月
2024年6月
2024年8月
2024年12月
さいごに
はじめに
今年10月、福岡のキャナルシティ劇場でヨーロッパ企画の舞台を観劇した。


初演が8年前とは思えないほど今の時代を的確に捉えた作品となっており(ドローン、ロボット、AI、メタバースなどの要素がふんだんに盛り込まれたコメディ)、ひどく感銘を受けた。そして、今年起きた大きな出来事に当たらずとも遠からずな内容だった。
この記事ではその出来事について書いている。
2023年11月
いきなり今年ではなく去年の話をするが、2023年11月29日、毎年恒例のマネジメントメンバーが一堂に会する合宿「Pepabo Growth Camp(通称PGC)」が開催された。

こちらのブログでは触れられていないが、この時に社長から、AIでオペレーションを一新するプロジェクトを開始する旨の発表があった。そのプロジェクトで目指すことは以下。
- 社内(管理部門)の問い合わせ対応へのAI導入
- 社外の問い合わせ対応へのAI導入
そして、これを1ヶ月で完遂させよとのことだった。
正直絶望した。
私が担当しているCS部門では、AI導入対象のサービスが6つもあった。しかも各サービスの規模がそこそこ大きい。無事に年末を迎えられるのかとても不安になった。
2023年12月
どうしたものかと途方に暮れていたところ、事業開発のメンバーが声を掛けてくれた。AI活用にも注力しているチームで、一緒に取り組むことになった。
この時は、とにかく期限までに完遂することを最優先にした。やることは大量にあったが、重要なポイントは、AIに学習させるナレッジデータの登録を終わらせることだと開始当初から思っていた。
先んじてAIを導入していたサービスに倣い、ナレッジデータには各サービスサイトで公開しているヘルプセンターのガイド記事を使うことにしたが、問題はガイド記事の数だった。多いサービスだとガイド記事は600件以上も存在する。
理想は、AIが学習しやすい形に整えたナレッジデータを1件ずつ登録することだったが、当時プロジェクトに割ける人数が限られていたため、1件ずつ登録するのは不可能だと判断した。そこで、まずは全ガイド記事をインポートし、後からチューニングする方針にした。エンジニアに協力してもらい、全ガイド記事のエクスポートとインポートを対応してもらった。ナレッジデータの登録は一瞬で終わった。
結果、期限には間に合った。
約1ヶ月間、多くのメンバーが最優先タスクとしてこのプロジェクトに取り組んだ。他タスクもある中、優先度を変えてまで対応もらうことに申し訳ない気持ちはあったが、この機会が無ければ恐らくAI導入はかなり遅れていたと思うので、協力してもらえて本当に有り難かった。
そして、私の年末は無事に到来した。
後日談だが、AI導入後、ナレッジデータのチューニングでかなり苦労することになった。勢いも大事だが、もし人と時間に余裕があるのであれば計画的な導入をおすすめしたい。
2024年6月
プロジェクト完遂から半年経った頃、既に大きな効果が出ていた。
AI導入後の状況について詳しく書こうかと思ったが、私が書くまでもなく以下の記事にきちんとまとまっているので、ぜひこの記事を一読してほしい。


プロジェクトが始動した時から、単純なオペレーション業務はどんどん無くなるだろうと思っていたが、それは現実になった。また並行して、CS業務を削減するプロジェクトも走っていたので、相乗効果によりCS業務はどんどん削減・効率化されていった。それに伴い何名か本人が希望する形での配置転換も決まった。
そして6月末頃、8月に組織改編が行われることが一部メンバーに共有された。
2024年8月
組織改編の辞令が発令され、当時所属していた「CS室」という組織は解散となり、CSは各サービスを運営している事業部配下にチームごと異動した。あまり時間がなかったので業務整理や引き継ぎはそこそこ大変だったが、各CSメンバーの担当サービスが変わらなかったこともあり大きな混乱はなかった(と思う)。
CS室が解散した理由は、設立当初の目的(すごく雑に説明すると、レベル向上)を達成できたからというものだった。残念な気持ちがなかったわけではないが、私は会社の判断に納得したし、少しほっとした。
CS室は今年で4年目に入り、当初に比べてかなり高度化が進んでいて、AIがさらにそれを後押しした。その結果、独立したCS組織の限界を感じることがあり、不安になることが増えていた。もっと事業貢献できる新しいことにチャレンジしたいと思っていたタイミングでの組織改編だった。
なお、CS室が設立されたこと自体は本当によかったと思っている。
2024年12月
組織改編から4ヶ月、CS室時代の継続案件はほとんどが一段落した。今は来期以降の新しい活動の下準備をしている。
こんなことを言うとフラグが立ってしまいそうだが、今年も無事に年末を迎えられそうだ。
さいごに
3年前、とあるYouTuberが「さすがAIだなと思う反面、さっさと俺たちの仕事全部奪って俺たち人間を楽させてくれよなと思う」と言っていて、心底その通りだなと思った。そしてその世界が来た。
まだ過渡期ではあるが、AI前提の世の中になったいまCSの役割をどんどん変えていかないといけないし、変わらざるを得ない状況にある。でもそれをネガティブに捉える必要はないと思う。人が必要なところは絶対にあって、それに時間や労力を割くことができるということでしかない。
CSの未来は明るい。